ご挨拶
子どもの表現を支える遊戯療法の可能性
このたび、日本遊戯療法学会の第30回大会を、2025年8月30日(土)および31日(日)の2日間にわたり、茨城大学水戸キャンパスおよびZoomを活用したハイブリッド形式で開催する運びとなりました。本大会のメインテーマは「子どもの権利と遊戯療法-遊びに現れる自己表現」です。国連が定める「子どもの権利に関する条約」には全54条があり、その中には「第12条:意見を表す権利」や「第13条:表現の自由」など、子どもが自己を表現する権利が明記されています。しかし、子どもたちは言語による表現を必ずしも得意とせず、自己の内面を言葉で伝えることに困難を感じることが少なくありません。遊戯療法は、子どもが遊びを通じて自由に自己を表現できる場を提供し、その表現がセラピストによって尊重される体験を通じて、自己肯定感や自己理解を育む重要な役割を果たします。遊びの中で見せる子どもの創造性や象徴的な表現は、彼らの内なる声そのものであり、それを丁寧に受け止めることで、子どもたちは安心して自己を開示し、成長していくことができます。
今回の大会では、遊戯療法が子どもの自己表現を保障する場としてどのように機能するのか、また、遊びを通じて見えてくる子どもの権利について、さまざまな視点から深く掘り下げたいと考えています。2日間のプログラムを通じて、参加者の皆様と共に、子どもの心に寄り添い、その自己表現を支える遊戯療法の意義と可能性について考える機会となれば幸いです。
大会1日目午前の教育講演では、茨城大学教授で、世界的に著名なマヤ文明研究者の青山和夫先生に、遺構や遺物に刻まれた象徴表現についてお話し頂きます。指定討論者の吉川眞理先生が、遊戯療法との橋渡しをして下さいます。こちらは一般公開いたします。大会1日目午後の基調講演では、精神分析の大家であり、解離性障害の研究と治療などでご活躍の岡野憲一郎先生から、遊戯療法に対して抱かれているお考えをお話し頂きます。その後研究発表Iがおこなわれます。大会2日目には、ワークショップと研究発表IIがおこなわれます。
茨城大学水戸キャンパスは、東京から北東へ約100km、水戸黄門などでおなじみの茨城県水戸市にあります。JR東京駅から特急とバスにて2時間弱でアクセス可能です。対面での交流とともに、Zoomを活用したオンライン参加も可能です。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
日本遊戯療法学会 第30回大会 大会長 金丸隆太(茨城大学)
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